夜の東京を散歩すれば
どこへでも行ける。
夜の東京を散歩すれば
なんにでも会える。
八百万の光と八百万の陰が
不思議な景色をつくる東京を
夜、歩こう。
(本書冒頭より)

不思議の風景、身近な絶景。東京の風景は、夜のためにある。
ナイトウォークをより気軽に、より深く楽しむための体験ガイドの、わりと決定版!
東京新聞掲載の夜散歩エッセイに大幅に加筆、書き下ろしも加えて単行本化。

カバー 東京 「夜」散歩
奇所、名所、懐所の「暗闇伝説」
中野純 著
講談社刊

なおかつ暗い!
四六判ソフトカバー200頁
定価(本体1400円+税)
2008年11月18日発行
ISBN978-4-06-215032-3

カバーデザイン 鈴木成一デザイン室



■もくじ■

一 夜は異界を歩く時間

本所七不思議を夜歩く(両国駅から隅田川)  20
●高架下の天国と手洗い屋敷●新しい七不思議がそこかしこに

麻布七不思議を夜歩く(六本木から天現寺)  26
●沈殿する隠れ街●ガミラスの逆さマンション●地上の星と一夜の闇●がま池泥棒の不思議●不思議多発地帯、古川沿い

オーラが溜まるコンクリ渓谷の弁天地(王子駅から石神井川を加賀へ)  39
●巨穴の閉塞的解放感●ダリ山と川床の妙音天女

夜の渋谷の「火口」に下る(神山町から富ヶ谷)  46
●都会に潜む火山的展開●犬の光、猫の闇

二 夜はタイムスリップの時間

病院街の月夜を歩く(清瀬駅から全生園)  54
●北多摩の北の果て●雑木林に闇夜と月夜が保全されていた

シルクのように心地よい半地下の道(鑓水から絹の道を片倉へ)  63
●闇の溜まる掘割道の幸福●同じ恐怖は持続できない●匂いの降る道と夜の野外美術館

奇跡の湿原、時代劇の夜(武蔵五日市駅から横沢入)  73
●拙者の里山●なんにもない感の保全を●暮れない暮らし●毎日二回ある激しいドラマ

三 夜は宇宙を歩く時間

足もとの夜景、道端の星雲(新中野駅から中野通り)  84
●八百万の光と影●足もとに次々と星雲が現れる●影のオーラ

夜のケーブルカーと暗黒の夜景(高尾山口駅から高尾山、城山)  91
●平行四辺形の宇宙船●闇星座と夜富士●真っ暗闇は蛍歩きで行く

田無に宇宙の辺境を見た(田無タワーとその周辺)  99
●東京タワーの天文現象●ひなびた宇宙っぽさ

その他の夜  105
●川崎コンビナートの夜火山●新富町の川床ハイウェイ●背景なしの怪無池の夜●三番瀬のびしょ濡れ砂漠●新橋駅前の未確認着陸物体●夜の鐘ヶ淵、かぐやディスプレイ●夕暮れの高田富士見坂●数寄屋橋と生田緑地の夜太郎●堀ノ内のおそっさんの月待建築●佃島と大川端リバーシティ21●永代橋の下から石川島●江古田川出現地●小平鷹の台地下五階、常夜の臭気●武蔵引田の闇に浮く踏切

四 夜はワープする時間

日本一の踏切道の夜(拝島駅からアメリカ)  122
●荒野を行く日本一長い踏切●路地裏のアメリカ鉄道

夜の多摩湖に幻の大湿原を見た(西武遊園地駅からおとぎの釧路)  129
●静かな湖畔の森の陰から●東京離れした低所からの大展望

「永田町の闇」を具体的に歩く(星ノ山から飛騨高山?)  135
●夜空に空いた白い穴●都心に広がるメガ田舎

五 昼も夜を歩く時間

小さな常夜を果てしなく巡る(成増駅から白子宿)  142
●夜は昼とはまったく違う場所だ●自主堂々めぐりシステム

暗闇橋の明るい夜(東紺屋町・本町歩道橋から江戸橋)  150
●昼暗く、夜は明るい空中地下通路●江戸橋のオーロラと発光するさざ波

夕闇の表参道と浄闇の戒壇めぐり(表参道から青山霊園)  156
●表参道は田舎より暗い●都心部にもある善光寺の真っ暗闇●巨大人魂と発光する巨大墓石

六 夜は過去を見る時間

月光町で月光を浴びる(武蔵小山駅から月光原)  170
●地名歩きとジャケット買い●月明かりで町おこしを

ふるさとへは夜帰ろう(方南町駅からオオカミヤマ)  176
●幼時の記憶は夜の中にある●足もとが見えないのにまぶしい雑木林

多摩丘陵、ダイナミックな夜歩き(百合ヶ丘駅から鍋ころがし)  182
●サヨナラの時代と丘陵育ち●大展望の尾根道と秘密の急坂

絶望という名の闇の眺望に
絶景を見出すということ  193


夜散歩


[講談社「おもしろくて、ためになる」出版を]



一口メモ
いきなりミッドナイトハイクを語ってしまうと、間口が狭くなる。より多くの人に、闇を歩く楽しさをぜひ体験してほしくて、気軽な夜の散歩から誘ってみることにした。だから本書は、闇歩きの入門書ともいえる。


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