眺めのいい「真っ暗闇」あります。
身近な真っ暗闇、手軽な真っ暗闇を訪ね歩き、
闇の魅力、闇の威力を語った真っ暗闇スポット体験ガイド。
追記、長過ぎる「文庫版あとがき」などを加えて、文庫化!

カバー 闇を歩く
中野 純 著
光文社 知恵の森文庫

さらに暗い!
文庫304頁
定価(本体667円+税)
2006年6月6日発行
ISBN4-334-78431-3

装幀 木庭 貴信



■もくじ■

もっと闇を!  12
●日本の夜は世界一白い●自分なんてカンタンになくなる

第一章 終電で行くナイトハイク
空
■夜行朝帰りで近郊が秘境に

01・少しだけ、コナキジジイ(京王線終電で南高尾へ)  18
●怖がりたいからこそ旅をする●失われた冒険は、すぐそこにある●ミッドナイトハイク最適人数は三人
02・夜登ればいいことだらけ(青梅線終電で奥多摩・鋸山へ)  24
●深夜ならレミングにならない●サラリーマンでも全っ然平気●深夜の天狗採決●神戸岩ホーミーローレライ伝説●ミッドナイトハイクは耳にも楽しい●さあ、一緒に伝説をつくろう
03・夜は車道を登る(西武線終電で秩父・武甲山へ)  36
●夜山の車道こそ、歩行者天国だ●深夜の山の工場が、終わらない●鳥居の向こうの巨大な真っ暗●西側の眺めは大切
04・野生動物と超接近遭遇する(東海道線大垣行きで熱海・十国峠へ)  46
●夜山で動物バンザイ●人気の山でも最高の時間を独占できる●深夜の沢筋は避ける●最も危険な動物は夜おとなしい
05・闇の中でダイインする(小田急線終電で丹沢・塔ノ岳へ)  55
●大文字ハイクで闇の奥行きを味わう●夜のバカはありがたい●山にもってかれる快感●ヨルはいいけどヒルはちょっと
06・ナイトビジョンと幻覚を楽しむ(東武東上線終電で奥武蔵・笠山〜堂平山へ)  65
●夜山の必携品はほとんどない●ライトはケチケチ使う●ヘッドランプか懐中電灯か●闇をさまよう四つの光●雪の夜山は怖くない●おばちゃんと私
07・いきなり闇弁する(中央線終電で高畑山〜倉岳山へ)  78
●まずは昼山で足慣らしを●闇弁で五感をチューニング●桂川沿いは夜山の宝庫

第二章 ご近所の暗闇を訪ねる
空
■白昼の真っ暗闇体験

08・お寺の地下で一介の精子になる(玉川大師地下霊場、威光寺弁天洞窟他)  86
●瀬田の住宅街に地下世界●百メートル百円のひとり旅●善光寺と信貴山のお戒壇めぐり●ミニ堂々巡りで小恐怖する●ロウソクの暗さを思い知る●やたら具体的な無我の境
09・マックラケービングと地底の星(養沢鍾乳洞、星月夜ノ井他)  98
●地下世界はほとんどが秘境●チビ鍾乳洞をハシゴする●大岳鍾乳洞で頭を鍛える●井戸の底の星を見る
10・プラネタリウムの現在(大阪、東京等のプラネタリウム)  107
●今、プラネタリウムが暗い!●消えていく古き良きプラネタリウム●バブルさん、ありがとう●もっと闇夜浴を楽しみたい●中之島の屋内山で星を見る●かに道楽とプラネタリウム
11・冬のお化け屋敷で暖を取る(花やしき、向ヶ丘遊園)  122
●ゴーストはお化けを駆逐しない●和風お化け屋敷の目潰し装置●花やしきの闇で疑似幻聴体験●短い闇と暗順応
空
■都心周辺のミニ・ナイトハイク
12・都会の梅は深夜にかぎる(根津山の梅の香)  132
●花見はイメージトレーニング●夜梅はほんとうにダメなのか●鼻は夜開く
13・東京の富士山で夜景を見る(品川富士)  139
●今でも便利な人造富士●富士塚は夜登るのが本筋●富士塚は二十四時間夜なのだ
14・都会でフクロウ科の声を聴く(世田谷の山)  147
●時代劇の鳥は今も鳴いている●東京の夜鳥を聴くナイトハイク●都会の夜空にケモノがいっぱい●天井裏の闇にもケモノ
15・都心のすぐ近くで星空を堪能(国立天文台定例観望会)  158
●武蔵野の雑木林に点在する天文遺跡●闇の中でシリウスの儀●標高五十数メートルの高原を満喫

第三章 自分の家で闇を楽しむ
空
■闇を聴く楽しみ

16・真夏の夜に石の声を聴く(夜泣き石伝説を体感する)  166
●光は見るもの、闇は聴くもの●エアコンが闇をシャットアウトする●窓を開けると闇が聞こえてくる●都心の夜泣き石と幽霊坂の夜●夜泣き石はよく動く
17・闇を埋めて楽しむ(水琴窟とライブマイク)  177
●見えないエクステリア●自分の庭に闇を常設する●東京・横浜から闇比べの旅へ●京の闇、門前払いと一輪の花●縁側で聴く鎌倉の闇●高崎のにぎやかな双子闇●水琴窟鑑賞のコツ●水琴トイレと机上の闇
18・自分の中の闇を聴く(聴診器と肉体ヘッドホン)  194
●植物の鼓動と機械の鼓動●マイ・ダークネスは耳で楽しむ
空
■その他の闇
19・インターネットで闇を眺める(富士山等のライブカメラ)  199
●いつでもどこでも富士が見える窓●闇を見れば見るほど光に感動できる●箱闇に訪れる小さな朝
20・昼の山の白い闇、濃霧を歩く(伊豆大島・三原山×2)  205
●黒と白と緑の闇●まわりが見えないとまわりをよく見る●こんなところを歩いていたとは
21・闇風呂はママの味(アイソレーション・バス)  212
●浴室が意味もなく明るい●昔の風呂は闇だった●似非アイソレーションタンク
22・闇飲みと目隠しと観闇(闇鍋の飲み物版と闇遊び)  219
●白昼の闇飲みで衝撃体験●ロクな準備もせずに手軽に闇体験する●瞼の闇と目隠しの闇●闇の開放感・解放感と観闇
23・ママチャリで川縁ナイトツーリング(多摩川富士から是政)  226
●無灯火運転を容認する社会●灯火せずにはいられない●広大な自然を緩慢に登っていく●なにもかもテキトーでいい

第四章 ちょっと本気の夜登山
空
■中央線アルプス号で南ア、八ガ岳へ

24・狂気の夜行日帰り(南ア前衛・甘利山、南八ガ岳・編笠山)  236
●車道もいいが蛇行はキツい●以前はあたりまえだった夜行日帰り登山●遠めの夜行日帰りは夏より秋だ●軽度の修験道に桃二つ
25・山小屋時差泊で闇三昧(南ア・北岳)  245
●深夜の山々の細長いロビー●夜山は流れ星観賞にも適している●夜行泊まりがけ登山もよくあること●だれがそれを落としたか●夜行の翌日も夜出発で
空
■日本の闇に酔う
26・大晦日終夜運転で行く闇初め(高尾山から城山)  256
●徹夜をしないと早く老ける●闇の中でピチピチ跳ねる男子たち●めくるめく闇夜の白昼●闇初めと初日の出と初富士見
27・ナイトハイクの最高峰、富士山で死ぬ(小御岳から富士山)  267
●ナイトハイクは日本の登山の伝統●太陽崇拝と太陽忌避●いきなりの大休憩後にまず夕焼け●天国へ向かう地獄の行列●自動的に信仰登山●小さい闇、見ーつけた●霊山ナイトハイクは大勢で行く

やっぱ光も!  281
●いっぺん死んでメモリを解放●街よ、もっとシャキッとしろ!

おもな参考文献  285

文庫版あとがき  287
●ただ暗いというだけですごい●五感が全開になる快感●団体ナイトハイクも幻想的●島の夜のかぐや姫●金色の人魂が乱舞する森の闇●夜空に飛ぶ座布団一枚●自分の庭に闇を植え、蛍を飾る●雪のニセホタル

文庫版参考文献  302



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