眺めのいい「真っ暗闇」あります。
身近な真っ暗闇、手軽な真っ暗闇を訪ね歩き、
闇の魅力、闇の威力を語った真っ暗闇体験ガイド。

カバー 闇を歩く
さるすべり 中野 純 著
アスペクト刊

これは暗い!
四六判ソフトカバー280頁
定価(本体1400円+税)
2001年7月9日発行
ISBN4-7572-0854-5

装幀 葛西 恵



■もくじ■

もっと闇を!  8
 ● 日本の夜は世界一白い
 ● 自分なんてカンタンになくなる

第一章 終電で行くナイトハイク
空
■夜行朝帰りで近郊が秘境に

01 少しだけ、コナキジジイ(京王線終電で南高尾へ)  14
 ● 怖がりたいからこそ旅をする
 ● 失われた冒険は、すぐそこにある
 ● ミッドナイトハイク最適人数は三人

02 夜登ればいいことだらけ(青梅線終電で奥多摩・鋸山へ)  21
 ● 深夜ならレミングにならない
 ● サラリーマンでも全っ然平気
 ● 深夜の天狗採決
 ● 神戸岩ホーミーローレライ伝説
 ● ミッドナイトハイクは耳にも楽しい
 ● さあ、一緒に伝説を作ろう

03 夜は車道を登る(西武線終電で秩父・武甲山へ)  33
 ● 夜山の車道こそ、歩行者天国だ
 ● 深夜の山の工場が、終わらない
 ● 鳥居の向こうの巨大な真っ暗
 ● 西側の眺めは大切

04 野生動物と超接近遭遇する(東海道線大垣行きで熱海・十国峠へ)  43
 ● 夜山で動物バンザイ
 ● 人気の山でも最高の時間を独占できる
 ● 深夜の沢筋は避ける
 ● 最も危険な動物は夜おとなしい

05 闇の中でダイインする(小田急線終電で丹沢・塔ノ岳へ)  51
 ● 大文字ハイクで闇の奥行きを味わう
 ● 夜のバカはありがたい
 ● 山にもってかれる快感
 ● ヨルはいいけどヒルはちょっと

06 ナイトビジョンと幻覚を楽しむ(東武東上線終電で奥武蔵・笠山〜堂平山へ)  61
 ● 夜山の必需品はほとんどない
 ● ライトはケチケチ使う
 ● ヘッドランプか懐中電灯か
 ● 闇をさまよう四つの光
 ● 雪の夜山は怖くない
 ● おばちゃんと私

07 いきなり闇弁する(中央線終電で高畑山〜倉岳山へ)  73
 ● まずは昼山で足慣らしを
 ● 闇弁で五感をチューニング
 ● 桂川沿いは夜山の宝庫

第二章 ご近所の暗闇を訪ねる
空
■白昼の真っ暗闇体験

08 お寺の地下で一介の精子になる(玉川大師地下霊場、威光寺弁天洞窟他)  82
 ● 瀬田の住宅街に地下世界
 ● 一〇〇メートル一〇〇円のひとり旅
 ● 善光寺と信貴山のお戒壇めぐり
 ● ミニ堂々巡りで小恐怖する
 ● ロウソクの暗さを思い知る
 ● やたら具体的な無我の境

09 マックラケービングと地底の星(養沢鍾乳洞、星月夜ノ井他)  94
 ● 地下世界はほとんどが秘境
 ● チビ鍾乳洞をハシゴする
 ● 大岳鍾乳洞で頭を鍛える
 ● 井戸の底の星を観る

10 プラネタリウムの現在(大阪、東京等のプラネタリウム)  103
 ● 今、プラネタリウムが暗い!
 ● 消えていく古き良きプラネタリウム
 ● バブルさん、ありがとう
 ● もっと闇夜浴を楽しみたい
 ● 中之島の屋内山で星を観る
 ● かに道楽とプラネタリウム

11 冬のお化け屋敷で暖を取る(花やしき、向ヶ丘遊園)  116
 ● ゴーストはお化けを駆逐しない
 ● 和風お化け屋敷の目潰し装置
 ● 花やしきの闇で疑似幻聴体験
 ● 短い闇と暗順応

空
■都心周辺のミニ・ナイトハイク
12 都会の梅は深夜にかぎる(根津山の梅の香)  126
 ● 花見はイメージトレーニング
 ● 夜梅はほんとうにダメなのか
 ● 鼻は夜開く

13 東京の富士山で夜景を見る(品川富士)  133
 ● 今でも便利な人造富士
 ● 富士塚は夜登るのが本筋
 ● 富士塚は二十四時間夜なのだ

14 都会でフクロウ科の声を聴く(世田谷の山)  140
 ● 時代劇の鳥は今も鳴いている
 ● 東京の夜鳥を聴くナイトハイク
 ● 都会の夜空にケモノがいっぱい
 ● 天井裏の闇にもケモノ

15 都心のすぐ近くで星空を堪能(国立天文台定例観望会)  148
 ● 武蔵野の雑木林に点在する天文遺跡
 ● 闇の中でシリウスの儀
 ● 標高五十数メートルの高原を満喫

第三章 自分の家で闇を楽しむ
空
■闇を聴く楽しみ

16 真夏の夜に石の声を聴く(夜泣き石伝説を体感する)  156
 ● 光は見るもの、闇は聴くもの
 ● エアコンが闇をシャットアウトする
 ● 窓を開けると闇が聞こえてくる
 ● 都心の夜泣き石と幽霊坂の夜
 ● 夜泣き石はよく動く

17 闇を埋めて楽しむ(水琴窟とライブマイク)  168
 ● 見えないエクステリア
 ● 自分の庭に闇を常設する
 ● 東京・横浜から闇比べの旅へ
 ● 京の闇、門前払いと一輪の花
 ● 縁側で聴く鎌倉の闇
 ● 高崎のにぎやかな双子闇
 ● 水琴窟鑑賞のコツ
 ● 水琴トイレと机上の闇

18 自分の中の闇を聴く(聴診器と肉体ヘッドホン)  182
 ● 植物の鼓動と機械の鼓動
 ● マイ・ダークネスは耳で楽しむ

空
■その他の闇
19 インターネットで闇を眺める(富士山等のライブカメラ)  186
 ● いつでもどこでも富士が見える窓
 ● 闇を見れば見るほど光に感動できる
 ● 箱闇に訪れる小さな朝

20 昼の山の白い闇、濃霧を歩く(伊豆大島・三原山×2)  192
 ● 黒と白と緑の闇
 ● まわりが見えないとまわりをよく見る
 ● こんなところを歩いていたとは

21 闇風呂はママの味(アイソレーション・バス)  198
 ● 浴室が意味もなく明るい
 ● 昔の風呂は闇だった
 ● 似非アイソレーションタンク

22 闇飲みと目隠しと観闇(闇鍋の飲み物版と闇遊び)  205
 ● 白昼の闇飲みで衝撃体験
 ● ロクな準備もせずに手軽に闇体験する
 ● 瞼の闇と目隠しの闇
 ● 闇の開放感・解放感と観闇

23 ママチャリで川縁ナイトツーリング(多摩川富士から是政)  214
 ● 無灯火運転を容認する社会
 ● 灯火せずにはいられない
 ● 広大な自然を緩慢に登っていく
 ● なにもかもテキトーでいい

第四章 ちょっと本気の夜登山
空
■中央線アルプス号で南ア、八ガ岳へ

24 狂気の夜行日帰り(南ア前衛・甘利山、南八ガ岳・編笠山)  224
 ● 車道もいいが蛇行はキツイ
 ● 以前はあたりまえだった夜行日帰り登山
 ● 遠めの夜行日帰りは夏より秋だ
 ● 軽度の修験道に桃二つ

25 山小屋時差泊で闇三昧(南ア・北岳)  233
 ● 深夜の山々の細長いロビー
 ● 夜山は流れ星観賞にも適している
 ● 夜行泊まりがけ登山もよくあること
 ● だれがそれを落としたか
 ● 夜行の翌日も夜出発で

空
■日本の闇に酔う
26 大晦日終夜運転で行く闇初め(高尾山から城山)  244
 ● 徹夜をしないと早く老ける
 ● 闇の中でピチピチ跳ねる男子たち
 ● めくるめく闇夜の白昼
 ● 闇初めと初日の出と初富士見

27 ナイトハイクの最高峰、富士山で死ぬ(小御岳から富士山)  252
 ● ナイトハイクは日本の登山の伝統
 ● 太陽崇拝と太陽忌避
 ● いきなりの大休憩後にまず夕焼け
 ● 天国へ向かう地獄の行列
 ● 自動的に信仰登山
 ● 小さい闇、見ーつけた
 ● 霊山ナイトハイクは大勢で行く

やっぱ光も!  270
 ● いっぺん死んでメモリを解放
 ● 街よ、もっとシャキッとしろ!

おもな参考文献  276



[アスペクトONLINE『闇を歩く』のページ]



一口メモ
当時最も黒い紙を使って装幀した。つまり、出版界最高の闇。しかも、真っ暗闇にいても、手触りでなんとなくタイトルがわかる、ナイトハイク仕様のカバーになっている。


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